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ネットワークキングはキャリア開発の有効な手段

  • 桐田
  • 7月22日
  • 読了時間: 5分

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人事を決めるのは「人」

社会人を何年か経験していると、自身が属する会社の標準的なキャリアパスが見えてくると思います。たとえば、身近な先輩の異動事例や上司の経歴を見てみると自身の未来のキャリアがイメージできるというのはよくある話だと思います。


ところが、そうした先例とは一線を画す異動で希望のポジションを手にする社員もいます。もちろん、ジョブポスティング(社内公募)制度はそのためのもっとも有効な手段ですが、実は通常の人事異動のスキームの中で自分の夢を実現している人も案外多くいるのです。


そのような人たちに共通していることは ❝タテとヨコの人的ネットワークをうまく活用している❞ ということです。たとえば先日もある会社で、自分の上司の同期社員が自分の希望する部署の課長を務めていることを利用して、その課長と自身の上司との話し合いで異動が決まった方がいました。


これは分かりやすい事例の一つですが、他には、仕事で接点のあった他部署のメンバーが自分のことを上司に推薦してくれたことがきっかけで異動が叶った方や、自分の同期社員の先輩と仲良くなってその関連部門に異動した人なども意外と多くいます。


いま、下記企業において社員のリテンションが課題となる中、社員の声や希望や人事権者(部門の責任者)の声は従来以上に大切に扱われるようになっています。こうした中で自身の顔を広く打っておくことやコミュニケーション機会を多く持つことが自身の希望する異動に結びつくケースがあることは容易に想像できるのではないでしょうか。

 

 

あくまでも人間が主体であるために

ChatGPTが世に出てきたとき、「試しにいろいろ聞いてみよう」という軽い気持ちで無料版を触っていた人も、今は複数のAIツールを使いながら提案書を作成するようになっています。こうしたAIの進化はとても喜ばしい反面、その加速度的な進化のスピードと自身の能力やスキルの成長スピードを冷静に比べてみると、いずれAIの進化に追いつくことができなくなって時代から取り残されてしまうのではないかという不安を感じるのではないでしょうか。


実際、何万ページにも及ぶ資料を瞬時に読み込んでその要点を抽出してくれる機能はありがたく感じても、そこから得られる示唆をもとに、「これらのデータから推測される効果的なネクストアクションである~~の準備をすぐに始めてください」というリコメンド機能を複雑な思いで受け取る人は多いと思います。


このような状況の中でも人間(皆さん)が主体であり続けるためには、❝成長の軸をずらす❞ことが有効だと考えています。言い換えると、まともに対峙しては勝てない相手と同じ土俵で戦うのではなく、敢えてAIとは異なる土俵に立つということです。ともすると、「AI時代だからデータ解析のスキルを身につけよう」などと考えがちですが、敢えてAIと正反対のスキルを磨いて共存をめざすという考え方が、実はAI時代にとても有効な能力開発の視点になります。 


  

社外ネットワークの重要性

さて、ネットワーキング活動を行うとき、社内はもとより社外にも目を向けることをお薦めします。特に企業規模の大きな会社では自身が希望するポジションを狙うイバルも多く席取り競争が過当になりやすいことを考えると、同じようなポジションを他の会社に求めることも有効な手段となるためです。


こういう話をすると、「転職ならビズリーチなどに登録しておけばよいじゃないですか」という方が多くいます。たしかに、データベースに自分のキャリアを入力しておくと企業から声がかかるという謳い文句は魅力的に見えると思いますが、実際、見ず知らずの人の書類を見てスカウトをする人事担当者がどれほどいるでしょうか。私の経験や周囲の人事担当者の声から言うと、候補者が足らないときに「面接に来ますか?」というメッセージを送信するが関の山です。


採用活動は自社や自部門の業績を左右する一大事なので誰もが慎重に行います。そんなとき、自分が信頼しているメンバーの声はとても重宝されます。それが、ここ数年でリファーラル採用が急速に増えている主要因ですが、それをうまく活用するために社外の人たちともコミュニケーション機会を多く持つことが意味を持ちます。ただし、単に名前を売るだけでは信頼感に欠けるので、ワークショップなどの活動を通して自身の能力や行動力を示しておくことが大切になります。


  

お薦めのコミュニティー

最後にお薦めの医薬・医療系コミュニティーをいくつかご紹介しますので、よかったら参考にしてみてください。


●薬制研究会  https://yakusei.com/

●日本製薬医学会  https://japhmed.jp/index.html

●Healthcare Businesswomen's Association  https://hbanet.org/chapter/tokyo


それぞれに目的やテーマをもって活動されていますが、あまり堅苦しく考えずにまずは気軽に門戸を叩いてみてはいかがでしょうか。自分にとって勉強になったり、良い仲間をつくれると思えば継続されべよいですし、合わなければ退会すればよいのですから。



さて、いかがでしたでしょうか。納得感の高いキャリア形成のために充分な準備をしていただけていれば幸いです。

 
 
 

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