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キャリア形成において短所を改善する必要がないワケ

  • 桐田
  • 8月14日
  • 読了時間: 4分

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チームマネージャーの視点に立つ

仕事をしていると、時として誰かの才能をうらやましく感じることはないでしょうか。たとえば、圧倒的な説得力をもったプレゼンで聞き手を共感の渦に巻き込める人や、誰もが考えつかないような視点から独自のアイデアを生み出す人。また、常に一歩先を見通して問題を未然に防ぐ人など、自分が持っていない能力を持った人と接すると、つい、「あぁ、自分も●●の能力を伸ばさないとなぁ...」と考えてしまうのではないでしょうか。


もちろん、自身に不足している能力を伸長すること自体は良いことなので、上司との1on1の場でも自身の改善点についてのアドバイスを受けることが多いと思います。しかし、その上司が重要なプロジェクトのメンバーを決めるときに、「この人は●●の改善に一生懸命に取り組んでいるから抜擢しよう」などと考えることはほぼないでしょう。むしろ、改善点などには見向きもせず、「この人は●●の能力が高いからこれを任せてみよう」と考えることが一般的なはずです。


要するに、チャンスをつかみ取る人は「短所のない人」ではなく、「長所のある人」だということです。その理由は、なにごとも平均的にできる人材をたくさん集めるよりも、何かについて突出した成果を挙げられる人材を各方面から集めて適材適所に配置する方がチームの総合力を高めることにつながりやすいからです。そういう意味では、その長所も突き抜けていればいるほど人目につきやすいのであらゆる場面で白羽の矢が立ちやすくなります。

 

  

強みを強化するためのヒント

では、チャンスをつかみ取りながら自身のキャリアを有意義に形成していくためのヒントをお伝えしたいと思います。

 

(1) 強みの要素を細分化して源泉を理解する

たとえば、「行動力」が強みという方はたくさんおられると思いますが、ひとくちに行動力と言ってもそれを構成する要素は多種多様です。具体的には、「行動の量が多い」、「一つひとつの行動のスピードが速い」、「PDCAサイクルの精度が高い」... など枚挙にいとまがありませんが、まずは自身の強みをこの要素レベルまで分解する必要があります。

 

そのうえで、その要素を生んでいる源泉を言語化してみてください。たとえば、「行動の量が多い」であれば、「仮説をどんどん出して片っ端から検証していくことを重視している」などというのが源泉になります。強みは無意識に発揮されていることが多いのでその源泉を言語化することが難しいこともありますが、ここを明確にしておくことが重要です。

 

(2) 汎用性を持たせる

源泉が言語化できたら、次はその源泉を活かせる場面をいろいろと考えてみてください。普段の業務の中の場面でもいいですし、何かのプロジェクトに関わっているシーンでもかまいません。ここでは、とにかく数を多く挙げることを意識してください。数が多ければ多いほど、その源泉を汎用的に活かすためのヒントを得やすくなります。

 

いくつかシーンが挙がってきたら、今度はその源泉を活かす際に意識すべきことを抽出してみてください。たとえば、先述の「仮説をどんどん出して片っ端から検証していくことを重視している」の例では、

・仮説を立てにくい場面では数名にクイックインタビューを実施してヒントを得る

・仮説の検証スピードを上げる必要がある場面ではAIを活用する

などが挙げられるかもしれません。

そして、これらのアイデアを統合していくと自分の強みの源泉を適切に活かせる幅が広がる(汎用性が高まる)ので、今まで以上に自身の強みに磨きをかけられるようになります。

 

 

さて、いかがでしたでしょうか。

今回は「強み」にフォーカスしてきましたが、短所の改善を否定しているわけではありません。ただ、頑張って短所を改善しても平均レベルにもっていくのが精一杯ということが多いのが現状です。

だからこそ、「強みの正確な認識」⇒「強みの伸長」⇒「強みの発揮機会の拡大」⇒「周囲からの認知向上」⇒「チャンスの獲得」⇒「自分が思い描くキャリアの実現」というプロセスをめざした方が有意義だと考えています。

 
 
 

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